医療法人の多店舗展開 ポイント11:管理者(常勤医師)の計画的な確保
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医療法上、診療所にはそれぞれ管理者となる医師を置く必要があり、原則として管理者が他の診療所の管理者を兼ねることはできません。
つまり、分院を一つ開設するごとに、管理者候補となる医師を一人確保する必要があります。
本稿では、多店舗展開の鍵を握る管理者確保を計画的に進めるためのポイントを解説します。
管理者確保が展開計画の起点となる理由
医療法上の管理者設置義務
分院の開設には管理者となる医師の存在が前提となるため、物件や資金の準備が整っていても、管理者が確保できなければ開設はできません。
多店舗展開の計画は、「いつまでに何人の管理者候補を確保するか」という人材計画とセットで立てることが出発点となります。
医師採用市場の現状
クリニック勤務を希望する医師の採用は、年々競争が厳しくなっています。
募集を始めてから採用まで一定の期間を要することが一般的であり、分院開設の直前に探し始めるのではなく、開設スケジュールから逆算した早期の採用活動が重要です。
管理者候補を確保する三つのルート
法人内の勤務医からの登用
最も確実性が高いのは、法人で勤務する医師の中から分院長候補を育成するルートです。
日々の診療を通じて人柄や診療姿勢を把握したうえで登用できるため、法人の理念に合った管理者を得やすくなります。
早い段階から候補者に将来の分院長就任の可能性を伝え、経営への関心を育てておくことが効果的です。
外部からの採用
医師紹介会社、医局とのつながり、知人からの紹介など、複数のチャネルを活用して外部から管理者候補を採用するルートです。
「開業志向はあるが資金リスクは避けたい」という医師にとって、分院長ポストは魅力的な選択肢であり、この層に向けた訴求が採用成功の鍵となります。
承継案件を通じた確保
クリニックの承継案件では、勤務医や後継候補の医師が在籍している場合があり、承継とあわせて管理者を確保できるケースもあります。
M&A・承継の情報網を持っておくことは、拠点と人材を同時に得る機会につながります。
計画的な確保・育成の進め方
展開計画と連動した採用計画
3年後に1拠点、5年後に2拠点といった展開計画に対応させて、管理者候補の採用・育成スケジュールを策定します。
候補者には、副院長などの立場で一定期間の準備期間を設け、診療と運営の両面で経験を積んでもらうことが円滑な就任につながります。
選ばれる法人になるための環境整備
管理者候補の確保は、法人の魅力に大きく左右されます。処遇の明確化、本部による事務サポート、教育体制など、「この法人で分院長をやりたい」と思われる環境を整えることが、採用力の土台となります。
まとめ
管理者となる医師の確保は、多店舗展開のスケジュールを左右する最重要テーマです。法人内での育成、外部採用、承継案件の活用という複数のルートを組み合わせ、展開計画から逆算して計画的に進めることで、スムーズな分院開設が可能となります。
管理者の要件や就任に伴う手続き、処遇設計には専門的な検討が必要です。展開計画と一体となった人材戦略について、医療法人の運営に詳しい専門家にご相談されることをお勧めします。







