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分院開設の診療所開設届

届け出の資料を作成する人

診療所開設届は、診療所開設許可を得た後に提出する重要な書類です。

この届出は保険医療機関の指定申請にも必要となりますので、正確な作成と迅速な提出が重要です。

診療所開設届の基本

提出時期と流れ

提出のタイミング

診療所開設許可が下り次第、開設届を提出します。
例:

  • 8月末:診療所開設許可
  • 9月1日:診療所開設届提出
  • 9月10日頃まで:厚生局への申請
提出までの準備
  • 必要書類の確認
    – 開設届の様式入手
    – 添付書類リストの確認
    – 原本が必要な書類の準備
  • 記載内容の確認
    – 許可申請時の内容との整合
    – 開設日の確定
    – 診療体制の確認

必要部数

基本的な部数

通常、4セットの準備が必要です。

  • 保健所提出用(正本)
  • 法人控え用
  • 業者への提出用予備
  • 厚生局提出用
追加が必要なケース
  • 行政書士等が手続きを行う場合:5セット目を準備
  • 保健所から追加要請がある場合:指定された部数を追加

診療所開設届の作成方法

基本情報の記載

開設者欄
  • 記載事項
    – 医療法人の主たる事務所の所在地
    – 医療法人名・理事長名
    – 電話番号・FAX番号
  • 注意点
    – 定款との整合性確保
    – 略称は使用不可
    – 正確な表記の確認
診療所情報
  • 許可番号
    – 開設許可書の番号を正確に転記
    – 発行日も含めて記載
    – 略さずに記載
  • 名称・所在地
    – 定款と完全に一致させる
    – 住居表示の確認
    – ビル名等も含めて正確に記載

運営関連情報

開設年月日
  • 記載方法
    – 元号での記載
    – 年月日を明確に
    – 許可日以降の日付
  • 注意点
    – 実態と合わせる
    – 厚生局申請との整合
    – 開設日は、書類上の日付
診療日時
  • 記載事項
    – 診療可能な曜日
    – 診療時間
    – 休診日
  • 注意点
    – 実現可能な体制
    – スタッフ配置との整合
    – 管理者の勤務時間との整合

人員体制の記載

管理者情報
  • 基本情報
    – 現住所
    – 氏名
    – 生年月日
    – 免許情報
  • 資格関連
    – 医師・歯科医師免許番号
    – 登録年月日
    – 臨床研修修了登録証番号(該当者)
従事者情報
  • 医師・歯科医師
    – 氏名
    – 診療科目
    – 勤務形態
    – 診療日時
  • その他の従事者
    – 職種別人数
    – 勤務形態
    – 資格の種類

添付書類の準備

管理者関連書類

必須書類
  • 免許証関連
    – 医師・歯科医師免許証の写し
    – 臨床研修修了登録証の写し
    – 原本提示の準備
  • 身分証明関連
    – 履歴書
    – 印鑑証明書(必要な場合)
    – その他保健所が指定する書類
履歴書作成のポイント
  • 記載事項
    – 学歴(大学以降)
    – 職歴(空白期間なく)
    – 賞罰
    – 医籍登録情報
  • 注意点
    – 保健所指定の様式使用
    – 実印押印(必要な場合)
    – 写真添付(必要な場合)

従事者関連書類

医師・歯科医師の書類
  • 必要書類
    – 免許証の写し
    – 臨床研修修了登録証の写し
    – 勤務証明関連書類
  • 注意点
    – 原本提示の必要性確認
    – 有効期限の確認
    – コピーの鮮明さ確認
その他の従事者の書類
  • 必要書類
    – 免許証の写し(該当者)
    – 雇用契約関連書類
    – 勤務形態証明書
  • 注意点
    – 資格の有効性確認
    – 勤務実態との整合
    – 必要部数の確認

提出時の注意点

事前確認事項

保健所への確認
  • 確認事項
    – 提出方法
    – 予約の要否
    – 原本提示の要否
  • 準備事項
    – 提出書類の部数確認
    – 原本の準備
    – 提出時の立会者確認
提出前の最終チェック
  • 書類の確認
    – 記載内容の整合性
    – 必要書類の揃い具合
    – 押印の確認
  • セット確認
    – 正本と写しの区別
    – ページ順の確認
    – クリップ留めの確認

提出時の対応

基本的な流れ
  • 提出手順
    – 窓口での申し出
    – 書類の提出
    – 原本確認(必要な場合)
  • 注意点
    – 控えへの収受印取得
    – 不備指摘への対応準備
    – 追加書類の準備
不備があった場合
  • その場での対応
    – 修正可能な場合の対応
    – 追加書類の提出方法確認
    – 期限の確認
  • 後日対応
    – 修正方法の確認
    – 提出方法の確認
    – スケジュールの調整

提出後の対応

控えの管理

書類の保管
  • 保管方法
    – ファイリング
    – インデックス付け
    – 保管場所の決定
  • 注意点
    – 原本の適切な管理
    – コピーの保管
    – データでのバックアップ
関連書類との整理
  • 一連書類の整理
    – 許可申請関連
    – 開設届関連
    – その他の届出
  • 管理方法
    – 時系列での整理
    – 種類別の整理
    – 索引の作成

次のステップへの準備

厚生局申請の準備
  • 必要書類の準備
    – 開設届の副本コピー
    – 収受印の確認
    – その他必要書類の確認
  • スケジュール管理
    – 締切日の確認
    – 準備期間の確保
    – 提出日の調整
その他の届出準備
  • 関連する届出
    – レントゲン関連
    – 麻薬関連(必要な場合)
    – その他必要な届出
  • 準備事項
    – 必要書類の確認
    – 期限の確認
    – 提出方法の確認

まとめ

診療所開設届の作成・提出は、分院開設の重要なステップです。以下の点に特に注意を払いましょう。

  1. 記載内容の正確性と整合性の確保
  2. 必要書類の漏れのない準備
  3. 適切なタイミングでの提出
  4. 控えの適切な管理

なお、本稿で説明した内容は一般的な例です。実際の届出にあたっては、必ず管轄の保健所に確認するようにしましょう。

事務所情報
大岡山行政書士事務所の室内
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事務所代表・記事監修
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中村 弥生(なかむら やよい)

渋谷区の医療法人の事務長として、総務・経理・各種手続き業務を統括。
退職後、税理士事務所勤務を経て、2006年に行政書士事務所を開業。以来、医療法人専門の行政書士事務所として業務を行っている。
現在、行政書士向けに「医療法人の行政手続き実務講座」を開講中。
2025年1月、書籍「はじめてでもミスしない いちばんわかりやすい医療法人の行政手続き」を出版。

【実績】 医療法人の設立100件以上、定款変更300件以上。保健所、厚生局手続き300件以上。役員変更や決算届出等2,000件以上。

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