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保険医療機関の開設者変更・移転を予定している方へ ― 遡及指定の新基準とは?

投稿日:2026年8月18日
保険医療機関の遡及指定新基準まとめ

保険医療機関の開設者変更や移転を検討されている先生方から、「遡及指定の基準が変わるらしいが、うちのケースは大丈夫か」というご質問を多くいただいています。

令和8年6月5日付で厚生労働省から新しい通知(保医発0605第2号)が発出され、令和8年9月1日より、遡及指定・機能移転の取扱いが新しいルールに切り替わります。

■ 結論:判断基準が具体的に明文化され、満たさなければ原則NGに

これまで遡及指定(廃止・新規指定の際に、指定日を旧医療機関の廃止日まで遡らせる取扱い)は、昭和32年・33年の古い通知等をベースに、個別の運用判断で認められてきました。

今回の新通知では、「患者の引継ぎ」「標榜診療科の継続」「職員の引継ぎ割合」「移転距離」など、認められるための具体的な基準が数値付きで明文化されました。この基準を満たさない事項がある場合は、原則として遡及指定は認められません。

その意味では「基準が明確になった=ゆるい運用ができなくなった」という点で、実質的な厳格化と言えます。一方で、地方厚生(支)局ごとにバラバラだった運用が全国で統一され、事前に基準を確認しやすくなったというメリットもあります。

■ 主な変更点

  • 遡及指定を「①開設者死亡等」「②至近距離(2km以内)の移転・開設者のみの変更」「③その他」の3パターンに整理
  • ③「その他」(2kmを超える移転、移転と開設者変更の同時実施、病院⇔診療所の変更 等)は、希望日の3か月前までに予定届出・事前相談が必要に
  • 常勤医師の概ね5割以上の引継ぎなど、職員引継ぎの数値基準が明記
  • 移転距離の基準も新設(例:無床診療所・薬局は同一市区町村内または直線距離6km以内)
  • 保険医療機関の廃止を伴わない「機能移転」制度が新たに整備
  • 昭和32年・33年の旧通知等は令和8年8月31日限りで廃止

■ 注意が必要なケース

  • 開設者変更と所在地移転を同時に行う予定がある場合
  • 移転距離が同一都道府県内で2kmを超える場合
  • 病院から診療所へ(またはその逆)の変更を予定している場合

これらは「③その他の場合」に該当し、地域医療への影響も含めて慎重に判断されるため、3か月前までの事前相談が必須となります。スケジュールに余裕を持った準備が必要です。

■ 実務上のポイント

新基準の適用は令和8年9月1日からですが、③に該当するケースは3か月前の事前相談が原則のため、実質的には令和8年6月頃から準備を始める必要があるケースも出てきます。

開設者変更・移転・法人化等を検討されている場合は、ご自身のケースがどの類型に該当するか、また判断基準を満たせるかどうかを早めに確認されることをお勧めします。

該当性の判断でご不明な点がございましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

(出典:厚生労働省保険局医療課長通知「保険医療機関等の遡及指定及び機能移転の取扱いについて」保医発0605第2号、令和8年6月5日)

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