医療法人で診療所を開設する場合の注意点 ― 外来医師過多区域制度との関係も踏まえて解説 ―
2025年12月成立の改正医療法により導入された「外来医師過多区域制度」に関連して、医療法人による診療所開設についてのご相談が増えています。
医療法人による診療所開設は、個人開設と比較して事前調整が必要となる場面が多いため、制度理解が重要です。
本記事ではその理由と実務上の注意点を整理します。
■ 医療法人による診療所開設ではなぜ慎重な対応が必要なのか
医療法人は、個人による診療所開設とは異なり、都道府県の認可を受けて設立される法人です(医療法第39条)。
そのため診療所開設にあたっては、次のような観点から地域医療提供体制との整合性が確認される場合があります。
- 開設の趣旨
- 提供予定の医療機能
- 地域医療における役割
- 医療計画との関係
このように、医療法人は地域医療の安定的な提供を担う主体として位置付けられているため、個人開設と比べて事前調整が必要となることがあります。
■ 外来医師過多区域制度との関係
外来医師過多区域において新規に無床診療所を開設する場合、地域で不足する医療機能への協力について都道府県から要請を受ける可能性があります。
医療法人による開設では、特に次の点が確認されることがあります。
- 地域医療機能への対応方針
- 在宅医療への関与可能性
- 夜間休日診療への協力体制
- 医療圏内での役割分担
これらは義務ではありませんが、協力状況によっては地域医療構想調整会議での協議対象となる可能性があります。
■ 医療法人開設で特に確認されやすい事項
医療法人による診療所開設では、個人開設と比較して次のような事項が整理されていることが望ましいとされています。
- 定款目的との整合性
- 事業計画との整合性
- 医師配置計画
- 将来の分院展開の見通し
特に都市部では、医療提供体制全体との関係を踏まえた説明が求められる場合があります。
■ 分院開設を予定している場合の注意点
既存の医療法人が新たに診療所(分院)を新規開設する場合も該当するため、外来医師過多区域制度の対象となる可能性があります。
そのため、
- 開設予定地が対象区域に該当するか
- 提供予定医療機能の整理
- 行政への事前相談の必要性
これらを早期に確認しておくことが重要です。
■ 実務上の対応ポイント
医療法人による診療所開設では、次の点を事前に整理しておくことで手続が円滑になります。
- 開設予定地の区域該当性の確認
- 地域医療機能への対応方針の整理
- 保険診療の実施予定の有無
- 分院展開の将来計画
制度施行後は、これらの整理の重要性がさらに高まると考えられます。
■ 当事務所のサポート
大岡山行政書士事務所では、
- 外来医師過多区域への該当可能性の確認
- 医療法人設立認可申請
- 分院開設手続
- 開設前の行政相談対応
まで一体的にサポートしております。
医療法人による診療所開設をご検討の際は、お気軽にご相談ください。



