クリニック事業譲渡で得られる財務メリット:廃業との圧倒的な差とは

クリニック経営者必見!廃業より医療法人等への事業譲渡を選ぶべき8つの理由
理由1. 財務面での大きなメリット
クリニック経営の将来を考える際、多くの院長先生が「廃業」を選択肢として考えがちです。
しかし、財務面から見ると、事業譲渡は廃業と比較して圧倒的なメリットがあります。
今回は、クリニック事業譲渡がもたらす具体的な財務メリットについて詳しく解説します。
譲渡対価による資産価値の現金化
事業譲渡における最大の財務メリットは、譲渡対価を得られることです。
長年築き上げてきたクリニックの価値が適正に評価され、現金として手に入ります。
クリニックの譲渡価格は、主に「時価純資産価額」と「営業権(のれん代)」の合計で算出されます。
時価純資産価額は、資産と負債を時価で評価した時の金額です。
営業権は、クリニックの立地、通院患者数、将来性など、他のクリニックと比べて優位に立っている部分を示す付加価値です。
この譲渡対価は、医師としての長年の努力と経営手腕の結果として得られる正当な対価です。
廃業では得られない、まとまった資金を老後の生活資金や新たな事業投資に活用できます。
廃業コストの大幅削減
廃業を選択した場合、想像以上に多額の費用が発生します。
主な廃業コストを具体的に見てみましょう。
- 医療機器の処分費用
CTやMRI、X線装置などの大型医療機器の処分には、1台あたり数十万円から数百万円の費用がかかります。産業廃棄物として適切に処理する必要があり、処分業者への委託費用も相当な金額になります。 - 賃貸契約の解約費用
多くのクリニックが賃貸物件で営業していますが、契約期間中の解約には違約金が発生します。一般的に残存期間の賃料相当額や、賃料の6ヶ月分程度の違約金が設定されていることが多く、月額賃料が100万円の場合、600万円の違約金が発生する可能性があります。 - 従業員への退職金
看護師や事務スタッフに対する退職金の支払いも大きな負担となります。勤続年数や給与額により計算されますが、10年勤務のスタッフに対して数百万円の退職金が必要になることも珍しくありません。 - 原状回復費用
賃貸物件の場合、医療施設仕様に改装した部分を元の状態に戻す原状回復工事が必要です。配管や電気設備の撤去、内装の解体など、改装費用と同程度かそれ以上の費用がかかることもあります。
事業譲渡では、これらの廃業コストの多くを回避できます。
医療機器は承継先で継続使用され、賃貸契約も引き継がれ、従業員の雇用も維持されるためです。
キャッシュフローの改善効果
廃業の場合、収入が完全に停止する一方で、上記のような支出が集中的に発生するため、キャッシュフローが大幅に悪化します。
特に、廃業手続きには数ヶ月から1年程度の期間がかかるため、その間の固定費も継続して発生します。
事業譲渡では、譲渡対価の受領により一時的に大きなキャッシュインフローが発生し、同時に廃業コストによるキャッシュアウトフローを回避できるため、財務状況を大幅に改善できます。
投資回収の最適化
クリニック経営では、医療機器への投資、設備投資、人材投資など、長期間にわたって多額の投資を行ってきました。
廃業では、これらの投資の多くが回収不能となりますが、事業譲渡では、投資により構築された事業価値が譲渡対価に反映されるため、投資回収率を最大化できます。
特に、比較的新しい医療機器や、患者基盤の構築に要した広告宣伝費、スタッフ教育費などの無形投資も、事業価値として評価される点は大きなメリットです。
老後資金の確保
医師の老後資金として必要な金額は、一般的に3,000万円~5,000万円程度と言われています。
事業譲渡による譲渡対価は、この老後資金の重要な原資となります。
廃業の場合、廃業コストにより手持ち資金が減少し、さらに収入源を失うため、老後の生活設計に大きな不安が残ります。
事業譲渡では、まとまった譲渡対価を得ることで、安心して引退後の生活を送ることができます。
まとめ
クリニックの事業譲渡は、譲渡対価の取得、廃業コストの回避など、多面的な財務メリットをもたらします。
これらの効果を総合すると、廃業と比較して数千万円規模の財務改善効果が期待できるケースも少なくありません。
クリニックの将来を検討される際は、財務面でのメリットを十分に考慮し、事業譲渡という選択肢を真剣に検討されることをお勧めします。
専門家と相談しながら、最適な方法で事業承継を進めることで、医師として築き上げた価値を最大限に活用できるでしょう。
クリニック経営者必見!廃業より医療法人等への事業譲渡を選ぶべき8つの理由
