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クリニック経営者必見!廃業より医療法人等への事業譲渡を選ぶべき8つの理由

事業譲渡契約書のイメージ

クリニック経営を長年続けてきた先生方の中には、高齢化や後継者不足により、将来的な事業の継続について悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そんな時、多くの方が「廃業」を最初に考えがちですが、実は「事業譲渡」という選択肢には、廃業では得られない数多くのメリットがあります。

今回は、クリニックの事業譲渡が廃業よりも優れている8の理由について詳しく解説します。

財務面での大きなメリット

事業譲渡の最大の魅力は、譲渡対価を得られることです。

廃業の場合、医療機器の処分費用、賃貸契約の解約違約金、従業員への退職金など、多額の費用が発生します。
一方、事業譲渡では、これまで築き上げてきた資産価値を現金化でき、廃業コストを大幅に削減できます。

長年の努力が経済的な価値として評価されるのは、経営者として大きな満足感につながるでしょう。

患者さんへの責任を果たす

医師として最も重要なのは、患者さんの健康を守ることです。

事業譲渡により診療の継続性を確保することで、通院中の患者さんが安心して治療を続けられます。
特に慢性疾患の患者さんにとって、かかりつけ医が突然いなくなることは大きな不安要因となります。

事業譲渡は、患者さんへの医師としての最後の責任を果たす方法と言えるでしょう。

地域医療体制の維持

クリニックは地域医療の重要な担い手です。

廃業により医療アクセスが悪化すれば、地域住民の健康に直接的な影響を与えかねません。

事業譲渡により医療サービスを継続することで、地域医療体制の安定に貢献し、社会的責任を果たすことができます。

従業員の雇用を守る

長年一緒に働いてきた看護師や事務スタッフの雇用を守ることは、経営者としての重要な責務です。

事業譲渡により雇用を承継先で維持できれば、スタッフの生活の安定を図れるだけでなく、培ってきた医療チームの専門性と経験も活かされ続けます。

築き上げたブランド価値の継承

長年の診療により築き上げた患者さんとの信頼関係、地域での評判、クリニックの認知度などの無形資産は、廃業により失われてしまいます。

事業譲渡では、これらの価値ある資産が新しい経営者に引き継がれ、今後も活用され続けます。

医療資源の有効活用

高額な医療機器や診療設備が廃棄されることなく、新しい経営者のもとで継続的に活用されることで、医療資源の無駄を防げます。

これは環境面でも社会面でも意義深いことです。

患者情報の適切な管理継承

電子カルテや患者情報の管理責任を適切に承継することで、患者のプライバシー保護と医療情報の継続性を両立できます。

これは現代の医療において極めて重要な要素です。

医師としての使命感の達成

単純な廃業ではなく、築き上げたクリニックが新しい形で存続することで、医師としての使命感や達成感を得られます。

後継者への知識・技術の継承を通じて、医療技術の発展にも貢献でき、引退後の心理的な充実感につながります。

まとめ

クリニックの事業譲渡は、経済的メリットだけでなく、患者さん、従業員、地域社会、そして経営者自身にとって多面的な価値をもたらします。

適切な承継先が見つかる場合は、廃業よりも医療法人等への事業譲渡を検討することを強くお勧めします。

事業譲渡を検討される際は、医療機関のM&Aに精通した専門家にご相談いただき、最適な方法で進められることをお祈りしています。

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事務所代表・記事監修
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中村 弥生(なかむら やよい)

渋谷区の医療法人の事務長として、総務・経理・各種手続き業務を統括。
退職後、税理士事務所勤務を経て、2006年に行政書士事務所を開業。以来、医療法人専門の行政書士事務所として業務を行っている。
行政書士向けに「医療法人の行政手続き実務講座」を開講。
2025年1月、書籍「はじめてでもミスしない いちばんわかりやすい医療法人の行政手続き」を出版。

【実績】 医療法人の設立100件以上、定款変更300件以上。保健所、厚生局手続き300件以上。役員変更や決算届出等2,000件以上。

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