分院開設の定款変更の提出書類の概要

医療法人の分院開設における定款変更では、多くの提出書類が必要となります。
本稿では、提出書類について実務的な観点から解説します。
基本となる提出書類
申請書関係
- 申請書
– 医療法人の基本情報
– 変更内容の記載
– 変更理由の記載
– 変更時期の記載
※ 正確な記載が必要です - 新旧条文対照表
– 現行定款の条文
– 変更後の条文
– 変更箇所のアンダーライン
– 表記の統一
※ 正確な記載が必要です - 定款変更案
– 変更後の全文
– 新旧条文対照表との整合性
– タイトルに「案」と記載
– 条文番号の確認
※ 正確な記載が必要です - 添付書類一覧
– 提出書類の一覧
– 部数の記載
– チェックリスト
– 原本と写しの区別
※ 漏れがないよう確認します
法人関係書類
- 現行定款
– 最新の定款
– 新旧条文対照表との整合性
– 原本証明された写し
– ワードファイルも準備
※ 現行の内容確認が必要です - 法人の登記事項証明書
– 発行後6ヶ月以内
– 原本の提出
– 写しの添付
– 記載内容の確認
※ 最新の内容であることが重要です - 役員関係書類
– 新任理事の印鑑証明書
– 就任承諾書
– 履歴書
-(歯科)医師免許証
※ 各種証明書は発行後3ヶ月以内のものが必要です
分院関係書類
建物関係
- 賃貸借契約書
– 全ページの写し
– 当事者の記名押印
– 契約内容の確認
– 転貸の確認
※ 原本証明が必要な場合があります - 建物関係書類
– 建物の登記事項証明書
– 土地の登記事項証明書
– (新築の場合)建築確認申請書
– (新築の場合)検査済証
※ 新築の場合は特に注意が必要です - 平面図
– 各室の面積記載
– 用途の記載
– 設備の配置
– 事業計画¥・予算書との整合性
※ 保健所での構造設備基準の確認が必要です - 案内図
– 所在地の明示
– アクセスの記載
– 周辺環境の記載
– 最寄り駅からの経路
※ 分かりやすい図面が必要です
管理者関係
- 履歴書
– 最終職歴の記載方法
– 学歴・職歴の詳細記載
– 所定の様式使用
– 賞罰の記載
※ 通常、実印での押印が必要です - 医師免許証
– 原本の写し
– 原本提示の準備
– 裏面がある場合
– 鮮明なコピー
※ 原本証明が必要な場合があります - 就任承諾書
– 所定の様式使用
– 通常、実印での押印
– 就任日の記載
– 印鑑証明書の添付
※ 他書類との整合性が必要です - その他必要書類
– 臨床研修修了登録証
– 戸籍抄本(必要な場合)
– 住民票(必要な場合)
– 居住地を証明する書類
※ 都道府県により異なります
事業計画関係書類
事業計画書
- 基本情報
– 開設時期
– 診療科目
– 診療体制
– スタッフ構成
※ 具体的な記載が必要です - 人員計画
– 医師の配置
– 看護師の配置
– その他職員の配置
– 雇用条件
※ 実現可能な計画が必要です - 設備計画
– 医療機器の整備
– 施設の整備
– 工事計画
– 開設準備
※ 具体的な内容を記載します
予算書関係
- 収支予算書
– 収入項目の詳細
– 支出項目の詳細
– 予算額の根拠
– 計画の妥当性
※ 具体的な数値が必要です - 資金計画書
– 必要資金の内訳
– 調達方法の説明
– 返済計画(必要な場合)
– 資金繰りの見通し
※ 実現可能な計画が必要です - 借入関係書類
– 金銭消費貸借契約書
– 返済計画書
– 担保関係書類
– 金融機関の融資証明
※ 必要に応じて提出します
その他の提出書類
医療法人の概要
- 基本情報の記載
– 設立年月日
– 主たる事務所
– 役員構成
– 事業内容
※ 正確な記載が必要です - 既存施設の状況
– 本院の概要
– 診療実績
– 職員体制
– 財務状況
※ 具体的な記載が必要です - 分院開設の目的
– 開設理由
– 地域医療への貢献
– 将来展望
– 運営方針
※ 明確な説明が必要です
その他必要書類
- 確認書類
– 開設者の宣誓書
– 誓約書
– 承諾書
– その他必要書類
※ 都道府県により異なります - 補足資料
– 既存施設の説明資料
– 分院予定地の説明資料
– その他参考資料
– 補足説明資料
※ 必要に応じて提出します
実務上の注意点
書類作成時の注意
- 共通事項
– 正確な記載
– 統一した表記
– 誤字脱字の確認
– 記載漏れの防止
※ 丁寧な作成が必要です - 形式面
– 見やすい書式
– 適切な余白
– 読みやすいフォント
– 印刷の鮮明さ
※ 体裁の整った書類が必要です - 確認作業
– 複数回の確認
– 第三者による確認
– 最終確認
– 原本との照合
※ 確実な確認が重要です
提出時の注意
- 提出書類
– 必要部数の確認
– 原本と写しの区別
– 編綴方法の確認
– 原本の取扱い
※ 事前確認が重要です - 期限管理
– 提出期限の確認
– 余裕を持った準備
– スケジュール管理
– 進捗の確認
※ 計画的な準備が必要です - 保管方法
– 控えの作成
– ファイリング
– データ保存
– バックアップ
※ 適切な管理が必要です
まとめ
提出書類の準備にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。
- 正確な準備
– 必要書類の確認
– 記載内容の正確性
– 添付書類の完備
– 期限の遵守
※ 確実な準備が必要です - 丁寧な作成
– 正確な記載
– 統一した表記
– 分かりやすい記載
– 体裁の整備
※ 確実な作成が重要です - 確実な確認
– 複数回の確認
– 整合性の確認
– 最終確認
– 控えの保管
※ 確実な確認が必要です
なお、都道府県により要件が異なる場合がありますので、必ず事前に確認してください。
特に、様式や記載方法については、管轄する都道府県等のホームページや担当者に確認するようにしましょう。
不明な点がある場合は、早めに相談することで、スムーズな手続きが可能となります。
また、期限に余裕を持って準備を進めることで、万一の場合にも適切な対応が可能となります。
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大岡山行政書士事務所
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