分院開設の定款変更の申請書と新旧対照表、新定款の案文の作成方法

医療法人の分院開設における定款変更では、申請書、新旧対照表、新定款の案文が重要な書類となります。
これらの書類に誤りがあると、そのまま登記されることになり、保健所の開設許可がおりない可能性があります。
本稿では、それぞれの書類の作成方法について実務的な観点から解説します。
申請書の作成
基本情報の記載
- 申請者情報
– 医療法人の名称と所在地
– 理事長の氏名
– 連絡先(電話番号・FAX番号)
※ 正確な記載が必要です - 変更内容
– 変更する条文の明示
– 変更する理由の記載
– 条文番号の確認
※ 具体的な記載が重要です - 添付書類
– 添付書類の一覧
– 部数の記載
– 原本・写しの区別
※ 漏れがないよう確認します
変更理由の記載
- 記載内容
– 新規診療所の開設
– 理事定数の変更(必要な場合)
– その他の変更事項
※ 明確な理由の記載が必要です - 具体的な表現
– 「新規診療所の開設」
– 「理事定数の変更」
– 「その他必要な変更」
※ 簡潔な表現を心がけます - 記載上の注意点
– 分かりやすい表現
– 正確な内容
– 簡潔な記載
※ 要点を押さえた記載が必要です
新旧対照表の作成
基本的な作成方法
- 書式設定
– 2段組の表形式
– 左側に新条文
– 右側に旧条文
※ 見やすい形式が重要です - 変更箇所の明示
– 変更部分へのアンダーライン
– 追加部分の明示
– 削除部分の明示
※ 分かりやすい表示が必要です - 条文の記載
– 正確な条文の転記
– 漢数字・算用数字の統一
– 句読点の統一
※ 正確な記載が重要です
具体的な記載例
第4条の変更
…
(新条文)
第4条 本社団の開設する診療所の名称及び開設場所は、次のとおりとする。
(1)医療法人社団○○会 △△クリニック
東京都千代田区丸の内一丁目1番1号
(2)医療法人社団○○会 □□クリニック
東京都港区虎ノ門二丁目2番2号
(旧条文)
第4条 本社団の開設する診療所の名称及び開設場所は、次のとおりとする。
医療法人社団○○会 △△クリニック
東京都千代田区丸の内一丁目1番1号
…
※ 新条文の追加部分に下線を引きます
理事定数の変更(必要な場合)
…
(新条文)
第25条 本社団に、次の役員を置く。
(1)理事 4名以上7名以内
うち理事長 1名
(2)監事 1名
(旧条文)
第25条 本社団に、次の役員を置く。
(1)理事 3名以上5名以内
うち理事長 1名
(2)監事 1名
…
※ 変更部分に下線を引きます
注意点
- 表記の統一
– 漢数字・算用数字
– 句読点
– スペース
※ 統一した表記が必要です - 変更箇所の確認
– 追加部分の確認
– 削除部分の確認
– アンダーラインの確認
※ 漏れがないよう確認します - 整合性の確認
– 条文間の整合性
– 他の規定との整合性
– 表記の一貫性
※ 全体の確認が必要です
新定款の案文作成
基本的な作成方法
- タイトル
– 「医療法人社団○○会定款(案)」
※ 案文であることを明示します - 本文構成
– 章立ての確認
– 条文の配置
– 附則の記載の要否
※ 適切な構成が必要です - 形式要件
– フォントの統一
– 行間の統一
– 余白の設定
※ 見やすい形式が重要です
具体的な記載方法
分院追加の場合
…
第4条 本社団の開設する診療所の名称及び開設場所は、次のとおりとする。
(1)医療法人社団○○会 △△クリニック
東京都千代田区丸の内一丁目1番1号
(2)医療法人社団○○会 □□クリニック
東京都港区虎ノ門二丁目2番2号
…
※ 番号を付して記載します
理事定数変更の場合
…
第25条 本社団に、次の役員を置く。
(1)理事 4名以上7名以内
うち理事長 1名
(2)監事 1名
…
※ 正確な数値を記載します
注意点
- 記載内容の確認
– 条文の正確性
– 表記の統一
– 誤字脱字の確認
※ 丁寧な確認が必要です - 形式の確認
– ページ設定
– インデント
– 行間
※ 見やすい形式が重要です - 全体の確認
– 条文番号の連続性
– 項目番号の適切性
– 体裁の統一
※ 全体の整合性が必要です
実務上の注意点
作成時の注意
- 共通事項
– 正確な記載
– 統一した表記
– 見やすい形式
※ 丁寧な作成が必要です - 確認作業
– 誤字脱字のチェック
– 表記の統一性確認
– 整合性の確認
※ 複数回の確認が重要です - 保存方法
– データの保存
– バックアップの作成
– 版管理
※ 確実な管理が必要です
提出時の注意
- 提出書類
– 必要部数の確認
– 原本・写しの区別
– 添付書類の確認
※ 漏れがないよう確認します - 形式確認
– 用紙サイズ
– 印刷の鮮明さ
– とじ方
※ 体裁の確認が必要です
まとめ
定款変更関係書類の作成にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。
- 正確な作成
– 内容の正確性
– 表記の統一性
– 形式の適切性
※ 丁寧な作成が重要です - 確実な確認
– 複数回のチェック
– 第三者による確認
– 最終確認の実施
※ 確実な確認が必要です - 適切な管理
– データの保存
– 書類の整理
– 提出後の保管
※ 確実な管理が重要です
なお、都道府県により要件が異なる場合がありますので、必ず事前に確認して下さい。 特に、様式や記載方法については、管轄する都道府県等のホームページや担当者に確認するようにしましょう。