分院開設の定款変更の登記事項証明書(医療法人)と医療法人の概要の作成方法について

医療法人の分院開設における定款変更では、登記事項証明書と医療法人の概要の提出が必要となります。
本稿では、それぞれの書類の準備と作成方法について実務的な観点から解説します。
登記事項証明書(医療法人)
登記事項証明書の取得
- 取得方法
– 法務局窓口での取得
– オンラインでの取得
– 郵送での取得
※ 発行後6ヶ月以内のものが必要です - 必要な情報
– 法人名称
– 主たる事務所の所在地
– 法人番号
※ 正確な情報が必要です - 手数料
– 窓口:600円/通
– オンライン:500円/通
– 郵送:600円/通+郵送料
※ 部数を確認して準備します - 取得時期
– 提出時期を考慮
– 有効期限の確認
– 余裕を持った取得
※ 計画的な準備が必要です
記載内容の確認
- 基本事項
– 名称
– 主たる事務所
– 目的
※ 正確な記載の確認が必要です - 役員関係
– 理事長の氏名と住所
– 任期満了日
– 就任日
※ 最新の状態であることが重要です - 分院関係
– 診療所の名称
– 所在地
– 変更日
※ 追加情報の確認が必要です - その他の事項
– 資産総額
– 登記事項
– 変更履歴
※ 詳細な確認が必要です
医療法人の概要
基本情報の記載
- 法人情報
…
設立認可年月日:平成○年○月○日
設立登記年月日:平成○年○月○日
法人の種類:社団(出資持分あり)
事務所の所在地:〒○○○-○○○○
東京都○○区○○○
…
※ 正確な情報を記載します - 目的
…
目的:科学的でかつ適正な医療を普及するため
…
※ 定款の目的をそのまま記載します - 設立代表者
…
設立代表者:○○○○
…
※ 設立時の理事長を記載します
理事及び監事の記載
- 記載方法
…
役職 氏名 理事長との続柄 備考 理事長 ○○○○ 理事 ○○○○ 理事 ○○○○ 理事 ○○○○ (追加) 監事 ○○○○ …
※ 役職順に記載します - 追加事項
…
(追加)医療法人社団○○会 △△クリニック 管理者
…
※ 分院の管理者は備考欄に記載します - 人数
…
計 ○名
…
※ 合計人数を記載します - 備考欄
※ 都道府県等により、記載方法が異なります。
開設医療機関の記載
- 既存診療所
…
医療機関名:医療法人社団○○会 ○○クリニック
所在地:〒○○○-○○○○
東京都○○区○○○
開設年月日:平成○年○月○日
病床数:○床
管理者名:○○○○
診療科目:内科、小児科
※ 正確な情報を記載します - 新規開設診療所(分院)
…
(新規)
医療機関名:医療法人社団○○会 △△クリニック
所在地:〒○○○-○○○○
東京都○○区○○○
開設予定年月日:令和○年○月○日
病床数:○床
管理者名:○○○○
診療科目:内科、小児科
※ 予定の情報を記載します
記載上の注意点
登記事項証明書関係
- 取得時の注意
– 有効期限の確認
– 必要部数の確認
– 原本の要否
– 写しの要否
※ 事前確認が重要です - 内容確認
– 最新情報の反映
– 記載内容の正確性
– 変更事項の確認
– 誤記の有無
※ 詳細な確認が必要です - 保管方法
– 原本の保管
– コピーの作成
– データでの保存
– バックアップの作成
※ 適切な管理が必要です
医療法人の概要関係
- 記載方法
– 正確な情報記載
– 統一した表記
– 漏れのない記載
– 分かりやすい記載
※ 丁寧な作成が必要です - 確認事項
– 過去の書類との整合性
– 最新情報の反映
– 記載漏れの確認
– 表記の統一
※ 確実な確認が必要です - 追加情報
– 分院の情報
– 管理者の情報
– 診療科目の情報
– 施設基準の情報
※ 具体的な記載が必要です - 様式の確認
– 都道府県の様式確認
– 記載方法の確認
– 必要事項の確認
※ 事前確認が重要です
実務上の注意点
準備段階での注意
- スケジュール管理
– 取得時期の調整
– 提出時期の確認
– 余裕を持った準備
– 関係機関との調整
※ 計画的な準備が重要です - 必要書類の確認
– 提出書類の確認
– 部数の確認
– 原本の要否
– 写しの要否
※ 事前確認が必要です - 記載内容の確認
– 最新情報の確認
– 変更内容の確認
– 整合性の確認
– 誤記の確認
※ 正確な情報が必要です - 関係者との調整
– 管理者との確認
– 司法書士との確認
– 税理士との確認
※ 円滑な準備が重要です
作成時の注意
- 基本事項
– 正確な記載
– 統一した表記
– 誤字脱字の確認
– 記載漏れの確認
※ 丁寧な作成が必要です - 形式面
– 見やすい書式
– 適切な余白
– 読みやすいフォント
– 印刷の鮮明さ
※ 体裁の整った書類が必要です - 確認作業
– 複数回の確認
– 第三者による確認
– 最終確認
– 原本との照合
※ 確実な確認が重要です - 修正対応
– 修正箇所の確認
– 修正方法の確認
– 訂正印の要否
※ 適切な対応が必要です
よくある質問と対応
(1)登記事項証明書関係
- Q: 有効期限は具体的にいつまでですか?
- A: 通常、発行後6ヶ月以内のものが必要です。
- Q: 写しでも対応可能ですか?
- A: 都道府県により異なります。事前に確認が必要です。
- Q: オンラインでの取得は可能ですか?
- A: 可能です。登記・供託オンライン申請システムを利用します。
(2)医療法人の概要関係
- Q: 過去の様式を使用できますか?
- A: 最新の様式を使用する必要があります。
- Q: 記載内容に変更がない場合も作成が必要ですか?
- A: 新規作成が必要です。
- Q: 予定の内容を記載してよいですか?
- A: 分院関係は予定の内容を記載します。
まとめ
登記事項証明書と医療法人の概要の準備にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。
- 正確な準備
– 最新情報の確認
– 必要書類の確認
– 有効期限の確認
– 記載内容の確認
※ 確実な準備が必要です - 丁寧な作成
– 正確な記載
– 統一した表記
– 漏れのない記載
– 分かりやすい記載
※ 確実な作成が重要です - 確実な確認
– 複数回の確認
– 整合性の確認
– 最終確認
– 原本との照合
※ 確実な確認が必要です
なお、都道府県により要件が異なる場合がありますので、必ず事前に確認して下さい。
特に、様式や記載方法については、管轄する都道府県等のホームページや担当者に確認するようにしましょう。
また、不明な点がある場合は、早めに相談することで、スムーズな手続きが可能となります。
手続きを円滑に進めるためには、計画的な準備と確実な確認が重要です。
特に、原本が必要な書類については、取得に時間がかかる場合もありますので、余裕を持って準備を進めることをお勧めします。
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大岡山行政書士事務所
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