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分院開設の定款変更の管理者関連書類について

ノートパソコンを打ち込んでいる男性

医療法人の分院開設における定款変更では、管理者関連書類も重要な書類となります。

本稿では、管理者関連書類の準備と作成方法について実務的な観点から解説します。

管理者に必要な書類

基本書類

  • 履歴書
    – 学歴・職歴の記載
    – 資格の記載
    – 現住所の記載
    ※ 通常、実印での押印が必要です
  • 医師免許証
    – 原本の写し
    – 原本提示の準備
    – 鮮明なコピー
    ※ 裏面がある場合は、両面コピーが必要です
  • 印鑑証明書
    – 発行後3ヶ月以内のもの
    – 原本が必要
    – 必要部数の確認
    ※ 余部の準備をお勧めします
  • 就任承諾書
    – 所定の様式
    – 通常、実印での押印
    – 就任日の記載
    ※ 印鑑証明書が必要です

追加書類

  • 臨床研修修了登録証(自治体による)
    – 原本の写し
    – 原本提示の準備
    ※ 対象者のみ必要です
  • 住民票・戸籍抄本等
    – 発行後3ヶ月以内のもの
    – 原本の提出
    ※ 都道府県により必要な場合があります
  • その他必要書類
    ※ 必要に応じて準備します

履歴書の作成

基本的な記載事項

  • 個人情報


    住所:東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
    ※ 印鑑証明書と一字一句同じ表記
    生年月日:昭和53年10月25日

  • 学歴


    平成6年4月~平成9年3月 東京都立○○高校
    平成9年4月~平成15年3月 ○○大学医学部
    平成15年5月 第500回医師国家試験に合格
    (医籍123456号 平成15年5月10日登録)

    ※ 正確な記載が必要です

  • 職歴


    平成15年4月~平成21年7月 ○○大学病院内科医局勤務
    平成21年8月~       東京都千代田区丸の内3-5-1
                 東西ビル202号で西北クリニック開設
    平成22年4月~       千代田区医師会加入

    ※ 漏れのない記載が必要です

作成上の注意点

  • 写真
    ※ 定款変更認可申請においては、通常不要です。
  • 押印
    – 通常、実印の使用
    – 適切な位置
    – かすれのない押印
    ※ 丁寧な押印が必要です
  • 記載方法
    – 正確な日付
    – 漏れのない記載
    – 読みやすい文字
    ※ 丁寧な記載が必要です

就任承諾書の作成

基本的な記載事項

  • 日付


    令和○年○月○日

    ※ 通常、社員総会開催日を記載します

  • 宛先


    医療法人社団○○会
    理事長 ○○○○ 殿

    ※ 正確な名称を記載します

  • 本文


    私は医療法人社団○○会が開設しようとする医療法人社団○○会 △△診療所の管理者に選任され、その就任を承諾します。

    ※ 定型文を使用します

作成上の注意点

  • 押印
    – 通常、実印の使用
    – 適切な位置
    – かすれのない押印
    ※ 丁寧な押印が必要です
  • 記載方法
    – 正確な記載
    – 誤字脱字の確認
    – 診療所名の確認
    ※ 確実な記載が必要です

実務上の注意点

準備段階での注意

  • スケジュール管理
    – 書類取得時期
    – 提出時期
    – 余裕を持った準備
    ※ 計画的な準備が必要です
  • 必要書類の確認
    – 提出書類の確認
    – 部数の確認
    – 原本の要否
    ※ 事前確認が重要です
  • 有効期限の確認
    – 印鑑証明書
    – 住民票等
    ※ 期限切れに注意が必要です

作成時の注意

  • 基本事項
    – 正確な記載
    – 統一した表記
    – 誤字脱字の確認
    ※ 丁寧な作成が必要です
  • 形式面
    – 見やすい書式
    – 適切な余白
    – 読みやすいフォント
    ※ 体裁の整った書類が必要です
  • 確認作業
    – 複数回の確認
    – 第三者による確認
    – 最終確認
    ※ 確実な確認が重要です

提出時の注意点

最終確認事項

  • 書類の確認
    – 必要書類の完備
    – 記載内容の最終確認
    – 押印の確認
    – 原本と写しの区別
    ※ 提出前の確認が重要です
  • 有効期限の確認
    – 印鑑証明書(3ヶ月以内)
    – 住民票(3ヶ月以内)
    – その他証明書
    ※ 期限切れに注意が必要です
  • 部数の確認
    – 正本と副本の確認
    – 控えの準備
    – 原本の返却予定
    – 保管用の準備
    ※ 必要部数の確保が重要です

提出後の対応

  • 控えの管理
    – 受付印の確認
    – 控えの保管
    – データでの保存
    – 原本返却の確認
    ※ 適切な管理が必要です
  • 追加対応の準備
    – 追加書類の準備
    – 修正対応の準備
    – 問い合わせ対応の準備
    – 予備書類の準備
    ※ 迅速な対応が可能な準備が必要です
  • 次の手続きの準備
    – 保健所手続きの準備
    – 厚生局手続きの準備
    – その他必要手続きの確認
    – スケジュール管理
    ※ 計画的な準備が重要です

Q&A

Q: 管理者の履歴書は手書きが必要ですか?
A: 都道府県により異なりますが、多くの場合パソコン作成でも問題ありません。ただし、押印は通常、実印での押印が必要です。
Q: 管理者の前職の退職証明書は必要ですか?
A: 都道府県によって対応が異なりますが、必要となる場合があります。特に、保健所への提出時に求められることがありますので、用意しておくことをお勧めします。
Q: 管理者が海外の大学を卒業している場合、どのような書類が必要ですか?
A: 日本の医師免許を取得していることを証明する書類に加え、海外の大学の卒業証明書とその日本語訳が必要となる場合があります。事前に都道府県に確認することをお勧めします。

まとめ

管理者関連書類の準備にあたっては、以下の点に特に注意が必要です。

  • 早期準備
    – 必要書類の確認
    – 有効期限の確認
    – 余裕を持った準備
    ※ 計画的な準備が重要です
  • 正確な作成
    – 正確な記載
    – 適切な押印
    – 漏れのない記載
    ※ 確実な作成が必要です
  • 確実な確認
    – 複数回の確認
    – 整合性の確認
    – 最終確認
    ※ 確実な確認が重要です

なお、都道府県により要件が異なる場合がありますので、必ず事前に確認して下さい。
特に、様式や記載方法については、管轄する都道府県等のホームページや担当者に確認するようにしましょう。

また、不明な点がある場合は、早めに相談することで、スムーズな手続きが可能となります。

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事務所代表・記事監修
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中村 弥生(なかむら やよい)

渋谷区の医療法人の事務長として、総務・経理・各種手続き業務を統括。
退職後、税理士事務所勤務を経て、2006年に行政書士事務所を開業。以来、医療法人専門の行政書士事務所として業務を行っている。
現在、行政書士向けに「医療法人の行政手続き実務講座」を開講中。
2025年1月、書籍「はじめてでもミスしない いちばんわかりやすい医療法人の行政手続き」を出版。

【実績】 医療法人の設立100件以上、定款変更300件以上。保健所、厚生局手続き300件以上。役員変更や決算届出等2,000件以上。

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